新年明けましておめでとうございます。

日本ではいたるところで正月が感じられると思われますが、
ここベトナムでは新年っぽさはとうものは全くありません。

中国のように旧暦(太陰暦)を重宝しているベトナムでは、
新暦の1月1日というのはただ祝日というだけなので、
ベトナム人は普段と変わらぬ休日を過ごしています。

ただ、一応昨日12月31日は大晦日ということで、
日付が変わるとともに中心部(1区)で花火が上がるため、
それを求めてものすごい数の人々が中心部に押し寄せて来ます。

彼らに新年を花火で祝おうなんて気持ちはミジンコの
耳くそほどもありません。

彼らはただ「花火」というイベントのお祭り騒ぎを
求めてやってくるのです。

娯楽がないと言われて久しいベトナムでは、
カップルたちの多くはカフェでおしゃべりし、
暗がりの公園や川沿いでエイエイするというのが
デートの王道パターンとなっています。

最初は「一緒にいるだけで幸せ」、
「川の流れってなんてロマンチックなのかしら」と
時めいていた乙女たちにもマンネリ化という恐ろしい
恋愛ターミネーターはやって来ます。

やがて、

「あんたのマヌケ面を眺めてカフェスアダー(ミルクコーヒー)
   を飲むのには飽き飽きだわ!」


「こんなドブ川じゃなくてもっとおしゃれで
 気の利いたところに連れてきなさいよ!」


と怒りを爆発させる事態に発展してしまいます。

そんな2人にとって花火は絶妙な効果を発揮します。

彼女にキレられて、山Pに辞められてしまったNEWSのメンバー並みに
困っていた彼はこのイベントに是が非でも行かねばと考えるのです。

もちろんロマンチック確変が続いている初々しいカップルも
繰り出してくるわけですからその数は計り知れません。

幾度となくオームの襲来を経験してきた要塞都市サイゴンでは、
この日も怒涛の勢いで押し寄せる虫(バイク)に対抗するため、
各所に交通警察を配備して防衛にあたります。

打ち上げ地点に近い主要道路は
通行止めで歩行者天国となります。

しかし、中心部から少し離れた大通りは警備が手薄となることから、
交通整理が入ることなく無法地帯と化してしまいます。

「ゆずり合いの精神」という言葉を生まれてこの方聞いたことがない人間が
約9000万人いるといわれるベトナム。

そんな彼らがオームの群れのように一箇所に集中すると
どうなるのでしょうか?

この大宇宙がビッグバンによって誕生する以前、
その混沌とした状態は「カオス」と名づけられました。

その状態が宇宙誕生から138億年経ったベトナムの路上
で再現されています。

もし僕が金田一京助の後継者であるならば、改訂版の国語辞典は
【カオス】「混沌。ベトナムの大晦日の路上のこと」とするでしょう。


そんな金田一京助の後継者を目指す僕はこの夜、
そのカオスの渦中にいたのでした。

その少し前までは現地の日本人の友人宅で年越しパーティを
繰り広げていました。

がきの使いも紅白歌合戦も見られない中、
大島優子の電撃卒業をLINEで知った我々はいてもたってもいられず、
夜空に上がる大量の火薬の爆発劇を見に行くことになりました。


郊外のサービスアパートメントから市内に向けてタクシーで出発。
ちらほら逆送するバイクが増え始め、やがて大渋滞となり
車は完全に停止してしまいました。


「だめだ」


と両手を上げて諦める運転手。
さすがは帰宅時間と諦めの早さには定評のあるベトナム人。
早々とさじを投げました。


IMG_0708[1]


まあ確かにこれではこの松崎しげるみたいな
運転手と一緒に年を越してしまうことになるので、
仕方なく料金を(少し多めに)払って車道に出ると、
行きづまった車がどんどんバックで今来た道を逆走していきます。

こんなにたくさんの車が逆走するなんて
マリオカート64以来です。

逆走だったり、猛烈なバックで戻っていったり、
前後左右どこからバイク、そして車が来るか分からないので、
もはや "円" を発動しているといえるくらい神経を集中させて前に進みます。


IMG_0712[1]



まもなく、見晴らしの良い橋の上に到着しました。
より良いベストプレイスを求めて前進を続けていると
「ワーッ!!」という歓声。


ここでタイムアップ。
年が明けました。



花火の打ち上げ地点と橋の間には巨大なクレーンが立ちはだかっているため、
花火の全体はくっきり見えるとは言いがたいのですが、
大体の概要は把握できるレベルでした。


「最高の気分だわ。今夜はあなたのバズーカを
 あの花火のようにう打ち上げてくれる?」


「今夜はあんたとあたいで愛のカフェスアダーを作りましょう。」


カップルたちもすっかり仲を取り戻しているようです。

一方で花火が数発上がった時点で帰り始める人もいます。
サッカー見に来て前半2分で帰るようなものです。
せっかちですね。

気持ちが高ぶりすぎてバズーカが炸裂寸前なのかもしれません。
ベトナムの少子化は進みそうになさそうです。


そんなこんなでベトナムの大晦日は終わりました。


冒頭でも触れた通り、
ベトナムの正月(テト)は今月末になります。

テト賞与も支払わなければならないし、
テト前までに既存のプロジェクトも片付けなければなりません。

新年気分に浸るのは今年のテトを無事に迎えてからにしましょう。
昨年はそんなことを言い放った後一年ほどブログ更新が途絶えてしまいましたが、
今年は気鋭たっぷりで執筆を続けていきたいと思います。

本年もどうぞ宜しくお願いします。
かしこ。

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